足立区桑袋ビオトープ公園・八潮市大曽根ビオトープ周辺の生物生息環境調査(調査期間:平成19年1月〜10月)
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はじめに
 
特定非営利活動法人 エコロジー夢企画
理 事 長   三  井  元  子
調査場所風景1

調査場所風景2

調査場所風景3
 わたしたちが長年、足立区の消費者グループ「せせらぎグループ」とともに見守り活動を行ってきた八潮市大曽根の湿地は、平成 20年度で工事がすべて完了する。たった 1ヘクタールであるが、都心に近い地域にあっては、なかなか見ごたえがある自然地である。もともと江戸城の茅場の御用地であったという大曽根地域の雰囲気を残す良好な自然地であったため、せせらぎグループが平成 8年に、提言書を国土交通省江戸川河川事務所と綾瀬川ルネッサンス協議会に提出したのがきっかけで、土地の買い取りと保全事業が進められた場所である。
 平成 11年から、綾瀬川とこの湿地を結ぶ魚道を造り、植生による浄化を図る第 1期工事が行なわれた。平成 19年度、やっと第 2期工事が終了し、大きな池が 2つと独立した三日月池がひとつ完成した。あたらしい池の淵に、ミズアオイが自生し始め、太くしっかりしたヌマガヤツリが繁茂した。そして、冬のアシ原には、オオジュリンやメジロが入れ代わりにやってきて、かわいい声で鳴いていた。カワセミはほとんど毎回観察でき、魚を捕獲しているところも観察した。
 綾瀬川浄化のための礫管浄化施設と池を含む桑袋ビオトープ公園は、足立区立桑袋小学校跡を利用して建設され、平成 17年にオープンしたが、年々自然度が増してきて、園内の池には、オオバンが営巣しているという。カワセミも 1日に何回か大曽根の湿地とビオトープ公園を往復している様子がうかがえた。
 今回は、ツイン事業として完成するこの 2つの湿地をはさむ半径 200mの範囲の生物生息環境調査を行った。平成 18年度(19年)1〜3月の冬の調査(月 2回 )の継続事業である。ただし、19年度は公益補助決定額の縮小に伴い、冬から秋までの月 1回 の調査にとどまったことをご了承願いたい。
 調査の結果は、19年 1〜10月までとして取りまとめて、ホームページ上で公開することとした。昆虫は標本にして保管、また植物はスキャナーで読み取り標本を作製した。
 エコロジー夢企画が実施し、ホームページ上で展開している「足立区環境デジタルマップ−第 2章足立区の現況調査−」と本調査の結果を比較しながら見ていただきたい。
 またこの調査期間中の夏、別途事業として子どもたちと大曽根の湿地の昆虫や魚を調べるイベント行った。子どもたちに自然地の中で、ワクワクどきどきしながら自然と親しんでもらい、水辺の安全教室も行った。良質な好奇心が育てば、学力の問題は、7割方解決したも同じである。綾瀬川に清流を取り戻すことと自然の回復は、相乗的な効果を持っているだけでなく、人々のこころの文化を呼び覚ます。文化が豊かに育ったとき、自然は揺るぎない存在となるだろう。本事業の成果を学校や地域で存分に活用していってもらいたいと考えている。
 本事業にご理解、ご協力を下さった皆様、調査に快く協力して下った調査員の皆様、監修を引き受けてくださった(財)埼玉県生態系保護協会と調査の機会を与えて下さった(社)関東建設 弘済会に感謝する。調査結果やまとめ方には、不十分な点があるかもしれないが、皆様からの情報を得ながらより充実させたいと願っているので、今後とも暖かいご指導をいただきたい。
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