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< 第 1 章 > |
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「足立区桑袋ビオトープ公園」は、平成 10年からの計画で、平成 17年 5月 27日にオープンした。この計画は平成 10年、国が募集した地域戦略プランに足立区と八潮市が応募し、「綾瀬川水質汚濁ワースト 1脱却プラン−生態系保全再生空間整備−」として決定したものである。その目的は、 |
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(1) |
綾瀬川への汚濁負荷を削減するため、礫間浄化施設を建設し伝右川の水を 50%引き込み、その汚れを 75%浄化する施設の建設 |
(2) |
綾瀬川の浄化対策を情報発信するための施設の建設 |
(3) |
ビオトープ公園の建設 |
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である。そのために平成 9年に廃校になった足立区立桑袋小学校跡地が使われることとなった。 |
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これから自然の力を借りながら創られていくビオトープ(=生物生息空間)であるため、現況の生物生息状況を把握しておく必要があると考え、NPO法人エコロジー夢企画では、平成 15年足立区の企画提案型事業に応募して委託を受けて、「足立区内環境デジタルマップ」を制作し、その中の一部として「桑袋ビオトープ公園周辺の昆虫・植物・樹木・野鳥・両生類・爬虫類・哺乳類の調査」を行った。この時は桑袋地区周辺の綾瀬川河岸、毛長川河岸、伝右川河岸と大鷲神社を中心に調査した。比較調査するため対岸の八潮市にある「大曽根の湿地」(仮称)でも同一項目の調査を実施した。ここも、平成 10年に決定した地域戦略プラン「綾瀬川水質汚濁ワースト 1脱却プラン−生態系保全再生空間整備−」の対象地として、綾瀬川の浄化対策のために自然地としての保全計画が進行している地点である。実施にあたっては、なるべく区内で活躍している人材と新たな雇用によって調査を行った。 |
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しかしながら委託事業の性格上、秋から冬( 8月 31日から 1月 18日)までの調査であった為、春から秋までの調査が不十分であったこと、また開園後 2年目に当たる 19年に調査をしておくことも必要であると考え、(社)関東建設弘済会の公益助成を受け、冬から春(平成 19年 1月から 3月)を行った。そして引き続き春から秋(平成 19年 4月から 10月)の継続助成を申請し、受けることが叶ったものである。 |
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調査は、「綾瀬川桑袋浄化施設・大曽根の湿地周辺の生物生息環境調査」にしぼり、生物生息調査の方法と分類法については、平成 15年度の調査方法を踏襲することに基本をおいて実施した。調査方法、調査表形式、分類法は各分野のリーダーの経験から本調査に適する方法を決定しため、必ずしも各分野間の統一は図られていない。 |
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1-1. 昆虫調査 |
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調査場所 : |
桑袋小学校跡地、毛長川右岸・左岸、大鷲神社、八潮市大曽根ビオトープ |
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第 1期調査 : |
2007年 1月から 3月 毎月 2回
1月 13日、1月 27日、2月 10日、2月 24日、3月 10日、3月 24日 |
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第 2期調査 : |
4月から 9月にかけて 毎月 1回
(昆虫の活躍目覚しい 5月には、別途 2回、斉藤のみで調査を追加実施した)
4月 14日、5月 12日、5月 19日、5月 27日、6月 9日、7月 21日、 8月 11日、9月 8日 |
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採集方法 : |
捕虫網を用いた見つけ採り法とスウィーピング(掬い採り)法で、一部水生昆虫については、掬い取り網で採集を行った。トラップによる採集は行わなかった。 |
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分類指導 : |
昆虫全般…斉藤洋一氏・土岐秀則氏
※神奈川県昆虫誌 I・II・III、神奈川昆虫談話会、平成 16年他を参考に分類。 |
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参考文献 : |
神奈川昆虫談話会(2004)神奈川県昆虫誌 I〜IV
安永智秀・他(1993)日本原色カメムシ図鑑、全国農村教育協会
安永智秀・他(2001)日本原色カメムシ図鑑第 2巻、全国農村教育協会
上野俊一・他(1985)原色日本甲虫図鑑(II)、保育社
黒澤良彦・他(1985)原色日本甲虫図鑑(III)、保育社
日本産アリ類データベースグループ(2003)日本産アリ類全種図鑑、学研
日本直翅類学会編(2005)バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑、北海道大学出版会
双翅目談話会(2002日本のハナアブ) |
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写真撮影 : |
土岐秀則氏 |
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標本 : |
斉藤洋一氏が捕獲後昆虫標本を作製した。 |
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1-2. 植物(野草)調査 |
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調査場所 : |
桑袋小学校跡地、毛長川右岸・左岸、大鷲神社、 八潮市大曽根ビオトープ(仮称) |
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第 1期調査 : |
平成 19年 1月〜 3月の月 2回 計6回 10:00〜16:00
1月 13日、1月 27日、2月 10日、2月 24日、3月 10日、3月 24日 |
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第 2期調査 : |
平成 19年 4月〜 10月の月 1回 計7回 10:00〜16:00
4月 14日、5月 12日、6月 9日、7月 21日、8月 11日、9月 8日、10月 13日 |
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調査方法 : |
区域内の地図上で区画設定し、区画ごとに植物名を書込みながら写真撮影 採取可能なものは持ち帰りスキャン画像資料を作製した。 |
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分類指導 : |
須田幸子氏 |
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参考文献 : |
「野に咲く花」山と渓谷社、2001年、林弥栄、平野隆久、畔上能力、 山忠三郎、西田局道著
「日本帰化植物写真図鑑」、全国農村教育協会、2001年、清水矩宏、 森田弘彦、廣田伸七著
「日本の野草」株式会社学習研究社、1999年、編集 志村隆、斉藤進、 平野勝男、監修 矢野亮
「日本の野草」株式会社小学館、1998年、菅原久夫著 |
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写真撮影 : |
五十嵐吉夫氏 |
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植物スキャン : |
採取後、スキャナーで画像を取り込みいくつかの植物を記録した。 |
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1-3. 野鳥調査 |
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調査場所 : |
綾瀬川左岸、伝右川、毛長川の流域と大鷲神社周辺 |
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第 1期調査 : |
平成 19年 1月〜 3月の月 2回 計6回 10:00〜16:00
1月 13日、1月 27日、2月 10日、2月 24日、3月 10日、3月 24日 |
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第 2期調査 : |
平成 19年 4月〜 10月の月 1回 計7回 10:00〜16:00
4月 13日、5月 12日、6月 9日、7月 21日、8月 11日、9月 8日、10月 13日 |
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調査方法 : |
ライン・センサス法と定点観測(綾瀬川左岸の湿地帯)を併用しながら出現した野鳥を記入 |
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分類指導 : |
五十嵐吉夫氏 |
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参考文献 : |
平凡社 2000「日本の野鳥」 |
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写真撮影 : |
五十嵐吉夫氏 |
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1-4. 水生動植物調査 |
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調査場所 : |
八潮市大曽根ビオトープ |
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第 1期調査 : |
平成 19年 2月〜 3月の月 1回 計3回 11:00〜15:00
2月13日、3月5日、3月22日 |
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第 2期調査 : |
平成 19年 4月〜 10月の月 1回 計7回 11:00〜15:00
4月 13日、5月 18日、6月 14日、7月 16日、8月 9日、9月 13日、10月 11日 |
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調査方法 : |
目視、投網とタモ網による採集 |
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分類指導 : |
柳瀬信氏、関信一郎氏 |
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参考文献 : |
「水生昆虫の観察」、トンボ出版、2001年、谷幸三著
「日本の淡水魚」、山と渓谷社、川那部浩哉他編
「川の生き物図鑑」、南方新社、、鹿児島の自然を記録する会編
「原色淡水魚類検索図鑑」北隆館、中村守純著、1975年
「日本産水生昆虫検索図鑑」東海大学出版会、川合禎次編、1985年
「原色甲殻類検索図鑑」北隆館、武田正倫、1982年
「フィールド図鑑 淡水魚」東海大学出版会、川那部浩哉、1987年
「原色昆虫大図鑑 III」北隆館、1976年 |
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写真撮影 : |
関信一郎氏 |
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< 第 2 章 活 動 報 告 > |
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(1) |
野鳥・植物・昆虫調査は、同一調査日・時間に実施した。但し、昆虫調査のみ、活動の盛んな 5月中に 2回追加調査を行った。 |
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調査スケジュール : 大体 8:00〜12:30まで八潮市大曽根の湿地で行い、13:30〜16:00まで足立区桑袋ビオトープ周辺の花畑大鷲神社境内と毛長川右岸及び左岸で調査を行なった。公園内は、専門員がモニタリング調査を定期的に行っているため対象外にした。 |
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(2) |
水生生物調査は、池のある大曽根の湿地のみで、月 1回 11:00〜15:00で実施した。 |
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(3) |
データ入力 : 各調査日ごとに各分野の調査者が同定を行い、調査結果報告書を作成した。入力チームが整理を行い、報告書用とホームページ用資料の仕様を整えた。 |
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(4) |
ホームページ 「足立区桑袋ビオトープ公園・八潮市大曽根ビオトープ周辺の生物生息環境調査 −平成 19 (2007)年 1〜10月−」 を作製、4月 1日からアップする予定である。 ホームページアドレス : http://www.ecoyume.net/2007/ |
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(5) |
昆虫標本 : 調査に於いて採取した昆虫を斉藤洋一氏が標本にして資料作製に当たった。 |
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(6) |
活動記録写真 : 三井元子 |
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監修 : (財)埼玉県生態系保護協会 |
以上 |
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【制作者名簿】 (平成19年1月〜20年3月) |
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< 制作 >
特定非営利活動法人 エコロジー夢企画 |
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< 作成責任 >
三井元子(NPO法人エコロジー夢企画理事長) |
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< 調査 > |
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昆虫 |
斉藤 洋一 |
日本蜻蛉学会・千葉県昆虫談話会
皇居生物調査員(昆虫類・蜻蛉担当) |
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土岐 秀則 |
みずもと自然観察クラブ |
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植物 |
須田 幸子 |
みずもと自然観察クラブ |
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孝口 和枝 |
みずもと自然観察クラブ |
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野鳥 |
五十嵐 吉夫 |
みずもと自然観察クラブ代表 |
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水生生物 |
関 信一郎 |
NPO法人とんぼエコオフィス |
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柳 瀬信 |
NPO法人とんぼエコオフィス |
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< 監修 > (財)埼玉県生態系保護協会 |
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< IT編集 >
小野寺 淳 : 博士(工学)、千葉まちづくり工房代表
小野寺 啓子 : 千葉まちづくり工房 |
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< 調査にご協力いただいた方々 >
尾頭美恵子、市川信子、岩波初美、栗原秀夫、田中雄一郎、中田秀佳寿、降矢博人、
古池広道、水越雅子、山口俊一 |
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< 調査にご協力いただいた団体名 >
協賛 : (社)関東建設弘済会
協力 : 国土交通省江戸川河川事務所
協力 : せせらぎグループ |
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本事業の制作にあたり、関係各機関、調査リーダーおよび市民、市民団体の方たちに多大なるご協力をいただきました。ありがとうございました。 |
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