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中田 秀佳寿 |
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平成15年10月から11月にかけて、現地にて水辺に生える植物や水中に生活する動物の確認を行った。確認の方法としては実際に目で確かめる目視調査とタモ網やセルビン、かに篭を使用する捕獲調査を併用した。適宜、地元の人への聞き取りも行った。 |
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水生植物は普通、水草といわれている。今回は、岸辺で生育し根は水底にあって体は空中に出ているヨシ・ジュズダマ、体全体が水中に没しているカナダモ・オオフサモ、水面に浮いているホテイアオイなどが観察された。このような水生植物が多く見られたのは柳原千草園、神明水の森公園(風車広場)、舎人公園などの各地においてであった。舎人公園では、水草が繁茂しすぎて年に一回刈り取りをするとのことであった。池に投入する釣り餌が分解して水草の栄養になるものと思われた。
以上の水草のようにしっかりした体を持たない藻類も、所々で見られた。特に目についたのは水路の流れのあるところで、壁面に付いて糸のようにゆらゆらと揺れている藍藻類であった。これらは、水の汚れ具合が中程度のところにいるようであり、綾瀬駅前の東綾瀬公園内の水路で確認された。水質が改善されると、鮎の餌として有名な珪藻類に置き換わることもある。 |
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水の中やその近辺に生息する動物類を見てみると、イトミミズ、ゴカイなどの環形動物類、カワニナ、タニシなどの巻貝類、マシジミなどの二枚貝類、トンボの幼虫やアメンボなどの昆虫類、アメリカザリガニやカニなどの甲殻類、コイ、メダカなどの魚類、チドリ、カルガモなどの鳥類が確認された。 |
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貝類のおもな種類に注目してみると、ホタルの幼虫期の餌となる巻貝類のカワニナが東綾瀬せせらぎ水路と保木間掘親水水路で確認された。六木水の森公園(水車広場)の循環する水路ではヒメタニシがたくさん確認された。水質が改善されれば、カワニナの生育も可能ではないだろうか。ここには、ホタルが幼虫から蛹(さなぎ)になるときに潜ることのできる土もある。裏門堰堀親水水路ではトンボの幼虫類が他の場所より多く確認された。幼虫の餌となる小動物が豊富で、隠れ場所となる水草類も多いので生息が可能となっているようである。
魚類では、五反野親水水路で中流の瀬に生息するオイカワが確認された。これは土堰が上手につくられ水深がコントロールされているためである。魚類はコイが主であるが、ここには砂が積もっているところがあって、流れている間に水質が改善されているようである。
メダカは綾瀬川の中流域支川と本流の2ヶ所で確認された。
東綾瀬せせらぎ水路では、ウナギやナマズが確認された。これら肉食性魚類の餌が豊富にあるものと思われる。 |
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今回の調査では、付近住民の方が水辺の生き物に対して高い関心を示されたのが印象的だった。足立区には給水設備の整った公園が多くあり、うまく活用すれば、水辺の生き物が多数生息できるようになるものと思われた。 |
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