足立区環境デジタルマップ
・1章 足立区内の基礎情報 ・2章 足立区内の現況調査
・3章 環境意識調査結果 ・4章 行事・活動報告
昆虫調査 植物・樹木調査 野鳥調査 足立区の両生類・爬虫類・哺乳類について 水質調査
水質調査のまとめ 水生動植物調査のまとめ 淡水プランクトン調査のまとめ
足立区内の河川・水路、公園内水辺などの水質・水生動植物のデータを得ることができました。
■ 水質調査のまとめ ■ 足立区内水質調査結果表 ■ 綾瀬川流域水質調査結果表
薮内 俊光
□ 足立区内河川および公園水質・水生動植物調査概要
 10月8日、9日、10日、14日、15日5日間に、区内100箇所の水質調査ポイント踏査を行った。当初計画の100ポイント(水施設のある公園24箇所、特色ある公園4箇所、じゃぶじゃぶ池のある公園親水水路19箇所、川水路44箇所、都立公園9箇所)を踏査したところ、水の無いポイントや同一環境のため複数調査箇所を1箇所のみ調査に変更したところが有り、最終的な調査ポイントは計54箇所(水施設のある公園13箇所、特色ある公園6箇所、じゃぶじゃぶ池のある公園親水水路5箇所、川水路27箇所、都立公園3箇所)。10月18日、19日、20日、24日、27日の計5日間で、54箇所の水質調査と水生動植物調査を実施した。
調査実施箇所一覧
□ 足立区内河川および公園水質のまとめ
 足立区は利根川水系の流域に位置し、荒川、隅田川、中川に囲まれている。北は埼玉県との都県境界であり、埼玉県を源流とする毛長川、垳川、伝右川が流れている。
□ 綾瀬川源流から下流までの水質・水生動植物調査概要
 9月25日、綾瀬川源流(桶川市)より下流に向かい、18箇所を踏査した。内4箇所は足立区内河川と重なっている。この踏査ポイントは、毎年綾瀬川浄化対策協議会が行っている調査地点を基本にして選定した。10月18日・10月19日・11月18日には、この18箇所+1ヶ所で水質を調べ、内5箇所で水生動植物を調査した。水生動植物調査ポイント5箇所は、踏査時点で水草が確認でき、動植物の存在が期待できる場所を選定した。
調査実施箇所一覧
□ 綾瀬川源流から下流までの水質のまとめ
 調査地点始点の関橋からさらに10km程度で上流が綾瀬川源流である。源流には下水処理施設からの処理水が流入している。関橋から木根川橋までは約30kmであった。
 COD(パックテスト)のグラフを見ると、綾瀬川は上流@関橋から下流J木根川橋に向かって少しずつ汚濁傾向が進んでいるようである。途中の流入河川からの栄養塩等が水質の悪化の原因であるのがわかる。特に古綾瀬川・伝右川・毛長川からの栄養塩の流入が大きい。調査はしていないが、更に多数の流入河川が存在している。
 アンモニア性窒素r/リットルでは流入河川では、上流部(a)境堀、中流部(c)出羽堀、下流部(e)伝右川戸塚橋(f)伝右橋の測定値が高い。本流では下流部G西袋橋の測定値が高い。アンモニア性窒素の魚毒性は2r/リットル以下といわれているので、今回の測定値ではこれを上回る値はなかったが今後も注視してゆきたい。
 溶存酸素(DO)r/リットルでは、上流@関橋から下流J木根川橋まで8r/リットルから3r/リットルの間にある。測定箇所18箇所中16箇所は5r/リットル以上であり溶存酸素量は満足している。
 透視度は100cm計で計測した。上流@関橋では100cmB畷橋からE綾瀬橋までは60cmである。その下流は40cm程度で、下流に向かってCOD同様汚濁傾向が進み、透視度が低下してゆく傾向が見える。
□ 区民が親しむ水環境の創生を
 足立区の水環境は、治水上の観点では全ての流域地域が係わり、特に大河川である荒川、隅田川、中川、綾瀬川等はその影響は大きい。しかし平常時の水環境にとって必要なことは、「うるおい、親水、ミズガキ等」の言葉が象徴するような、区民の水とのふれあいと思われる。水に囲まれた足立区では、五反野親水緑道でのオイカワ、水の森公園でのタニシの存在等が確認できた。工夫次第で水環境を更に豊かにする可能性が広がっている事がわかった。現在ある水環境を区民が更に利用できるように、市民・NPO・行政・企業等の協働で豊かな社会を作り出す必要を感じた。
特定非営利活動法人 エコロジー夢企画